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専門家からより多くを学ぶコツ
専門分野を持つ人に会うと、その人の立ち位置から見える風景について、質問するようにしています。

例えば、このブログの読者のみなさんが見ている世界・住んでいる世界は、日経平均や為替レートが重要な意味を持つ世界ですが、資産運用をしていない人が見ている世界では指数はそれほど重要な意味は持っていません。このように、立ち位置によって、世界の見え方は全く異なります。

以前、行きつけのバーのマスターに、カウンターの向こう側から見える世界について聞きたいと思い、次のように質問しました。
「今まで何万人ものお客さんと会話してきたと思いますが、どんなお客さんがいいお客さんですか?」
「やっぱり、前向きな人がいいですね」
「じゃあ逆に、よくないお客さんは?」
「うーん、よくない、というのとは少し違うかも知れませんが、お酒について語る人は、なんというか、滑稽に見えてしまいますね…」
マスターは両手を手品師のように小さく振りながら続けました。
「僕はこうしてお酒に囲まれて仕事をしています。毎日飲むだけでなく、仕入れたりもするし、仕事仲間にはお酒関係の人が多い。業界全体のことを考えたり、お酒を通じて人生を豊かにすることを考える。お酒自体は、その一部でしかありません。そんな私に、お酒について語るというのは...」
といって、額に皺を寄せながら笑っていました。下戸なのに楽しむためだけにバーに行く私にだから話せた話題なのかもしれません。

この話を聞いて以降、相手の専門分野を前にしては特に謙虚にならざるを得なくなりました。

確かに、例えば編集者が雑誌を作るときも、単純に面白い記事をつくるというだけでなく、スポンサーのことも考えるし、初心者の育成も考慮し、誰に仕事をふるかなど製作上の都合もあるし、社としての方針もある。読者からみえる世界では成果物である文章だけ読めばよいのですが、反対側からみれば成果物は全体の一部であって、大きな背景があるわけです。
リフレ派とデフレ派だってそう。

私が関心があるのは、成果物だけでなく、その背景も含めた世界です。
こうして、専門分野を持つ人に会うと、その人の立ち位置から見える風景について、聞くようになりました。
結局、それが一番自分が得る物が大きいと感じています。
| - | 07:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
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