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<< 週刊現代 3/23号に掲載されました。 | main | 日経新聞「電子版 私の利用術」に掲載 >>
眼鏡の君が
取材。ビルの上のカフェは眺めはよいものの、少しタバコの煙が気になりました。
記者とわかれ、図書館へ。
古典に回帰と思い、岩波文庫の棚の前に立ちました。背表紙をなで、気になる本を一冊、また一冊と抜き出す。「シェイクスピア詩集」「韓非子」「バガヴァッド・ギーター」「茶の本」。
本選びに夢中になっていると声をかけられました。
「あのう、すみません」
声の方を向くと、眼鏡をかけた若い女性。
「論考、少しだけ見せていただけませんか?」
論考。
ウィトゲンシュタインの「論理哲学論考」。
彼女が細い人差し指でさす私の手元の一冊を、そっと差し出しました。
「ありがとうございます」
彼女は小さく頭を下げ、手を伸ばし、本を胸元に寄せて表紙を開きました。
彼女がどういうきっかけでこの本に関心を持ったのか想像してみたのですが、なにも浮かびませんでした。聞いてみようかとも思ったけれど、真剣に文字を目で追う彼女にそれをするのは気が引けました。
少し間をおいて、声をかけました。

「もしよければ、その本、どうぞ」

「えっ、でも、借りられるんですよね」

「読みたい本は、他にもたくさんありますから」


図書館は昔から私にとって最高の場所であったし、今でも最高の場所です。
眼鏡の君が、それを再確認させてくれました。

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